推手(すいしゅ)は太極拳における練功方法の一つです。太極拳の練習では、推手の練習を通して、その独特の技術による攻防のための基礎を養います。昔から推手と套路(型)は、車の両輪と言われ、推手をやらなければ太極拳を、本当の意味で理解できないと言われています。相対した二人が塔手、磨手(互いの手の甲から手首にかけての部分を接触させた体勢)となり、お互いの腕を触れ合わせた状態で、決められた動作を繰り返して行う、あるいは、技を掛け合い、套路の正しさ(姿勢、沈肩墜肘、放鬆、才朋(ポン)勁、粘連黏随、聴勁など)など、太極拳としての要求の確認を行う練習です。ここで言う、套路(型)の正確さとは、形の順番や形の正確さではなく、形の内部の身法や姿勢制御、力加減などです。単推手、双推手、四正推手、活歩推手など、複数の種類があります。当研究会の練習カリキュラムとして、いくつの種類の推手に分類しています。簡単に、解りやすくまとめたものとなっています。詳しくは、下記を参照下さい。
定形推手
定形推手は、二人ペアになって、形の決まった動作を繰り返しながら、身体や心の使い方(放鬆、才朋(ポン)勁、粘連黏随、聴勁など)や、姿勢制御(立身中正、沈肩墜肘など)、力加減などを感じ、学ぶための練習法です。大きく分けて、ペアとなった二人が、お互いに片手を接触させた状態で、決まった動作を行う、単推手(平円推手、立円推手、折畳推手)と、お互いに両手を接触させた状態で行う、双推手(平円推手、立円推手、折畳推手、四正推手、四隅推手)があります。
套路推手
中国国家体育委員会武術研究院では太極推手を競技種目として認定し、大会等も開催されている套路です。套路内容の詳細は動作名称(教室内容 (kcwo.net))にご参照ください。
自由推手
自由推手は、主に定形推手の動作を、変化させるための練習法です。定形推手などに、歩法(フットワーク、ステップ)を加えたり、身体や心の使い方(放鬆、才朋(ポン)勁、粘連黏随、聴勁など)や、姿勢制御(立身中正、沈肩墜肘など)、力加減などを感じ、更に深めて学ぶための練習法です。
以上のようにいくつの練習種類がありますが、推手を通じて、内臓のほぐす、身体の微調整、心理状態の正すなどの養生という目的で行う推手練習です。 |